2017年7月17日
MARS160オフィシャルサイトより
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ハイレベルの火星模擬研究活動を主導する火星協会は、今週末に、北極の火星模擬施設FMARSに6人のクルーが到着したことで、Mars160ミッションの後半が正式に開始されたことを宣言する。FMARS(Flashline Mars Arctic Research Station)は火星協会が建設し管理運営をしている施設で、カナダ北部のデボン島に建っている。
Mars160は大変ユニークな実験で、火星に似た地形で最先端のフィールド調査の長期プログラムを実施する。全体で160日間のミッションは、昨年の前半3ヶ月のミッションと、今回の後半3ヶ月のミッションで構成されている。前半は米国ユタ州のMDRS(Mars Desert Research Station)で行われた。実験は、火星に似た環境で人間が遭遇するであろう制約条件と似た環境で日常生活を過ごし、施設の屋内外で実験作業を行う。
ユタ州とカナダの二つに分かれて実験を行う理由としては、ミッションを異なる場所にある類似施設で実施することで、科学的成果に及ぼす場所の違いの影響を見極めようというものである。
カナダの模擬施設では、クルーは火星に関連した広範な研究を行う予定である。特に、地質学、微生物と地衣類生態学、科学調査手順、孤立した少人数のグループの機能的考察等の研究を行う。
カナダの実験場所は、本当に火星に似た環境で、およそ4千万年前に隕石が衝突してできたグレータの縁に位置する。FMARSは多国籍の6人の経験豊富な研究者と科学の専門家にとって「家」として愛されることになることだろう。
今回のミッションは二名のPI(研究責任者)によって運営管理されます。一人はMDRS責任者のシャノン・ルパート博士、もう一人はカナダ自然博物館の主席研究員であるポール・ソコロフです。