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10月1日
火星で雷に雨?
強風で基地が少し揺れている。でも危険はない。奇妙なことに、居住施設はすぐに自分たちの家になった感じがする。各個室は少なからず個性が表れ、各クルーの部屋が区別できるようになった。白にミント色が混ざった色が寝室の色である。副隊長の部屋はたくさんの道具や装置が溢れている。日本人の新技術の発明にはいつも驚かされるが、ユースケ・ムラカミもこの伝統に従っている。私たちがハブで不足していると感じるものが、ユースケの「魔法の箱」から見つけることが出来る。
隣室の宇宙生物学者のアヌシュリー・スリバスタヴァはきちんと整理された部屋で、小さなガネーシャ(インドの象頭の神)の像を置いている。
クロード・メシェル・ラロシュの部屋にはテレビゲームコントローラと大きなヘッドホーンが鎮座している。コンピュータゲーム、機械技術、インターネットはエンジニアクルーの神聖な場所である。
だれかハイキングする準備している? ジョン・クラーク博士の部屋を表現すればこんな感じになる。地質学者はいつも新しいサンプルを収集するために道行く道を常にたたいている。
きらきらの入浴バッグ、赤いスーツケース、ピンクのTシャツ、これらは明らかにブロンド女性の部屋である。
私の部屋にはロシア生物医学問題研究所のシンボルが入った小さな装飾用の旗を持ち込んだ。
丸い窓、あるいは砲門と呼んでいるけど、この窓がある部屋はコマンダーのアレクサンドル・マンジョ。17インチのPC、針金、ケーブル等が入った箱が置いてある。
最後に、すこし普通じゃない7番目の部屋は、ロフトになっている。ここは芸術家の住家である。アナリア・ビーティは天井と床に、数種類のランプ、花、箱に描いた魚の絵などを置いて芸術的に仕上げて、温かく気持ちの良い部屋にしている。箱には火星で集めた石と絵具ハケが入っている。
みんな少しづつ違っているけど、共通しているのは一枚の「テヌグイ」タオルが置いてあること。これはクルーによる火星の旗ともいえる。
この旗ははるばる日本から運ばれ、ユースケがデザインし、友達が手作りで印刷したものである。デザインには宇宙服を着た7人のクルー、火星居住施設、そして火星人が描かれている。図形は4段になっており、最初の段には火星人が地球人を見て怒っている。3段目では火星人が地球人を好きになる様子を描いている。
ジョンとアナレアが奇妙な装飾を施しており、オーストラリアのコアラの宇宙飛行士を連れてきた。キム(人形)がダイニングルームで丸窓のわきに座りながら私たちを眺めている。
Images below courtesy of Mars Society